有名ブランドが信じられないほどの値引き率で提供される最大の理由は、日本のアパレル産業が構造的に抱えるアパレル余剰在庫の仕組みに直結しています。
業界の商慣習上、アパレルメーカーやセレクトショップは、シーズン中の欠品による機会損失を防ぐために需要予測を上回る数量を生産・発注します。経済産業省や業界推計のデータによれば、国内で年間に供給される衣料品のうち、定価で消費者の手に渡る「プロパー消化率」は約50〜60%前後にとどまります。残りの4割以上はセールに回されるか、倉庫に眠る余剰在庫(キャリー品・過剰在庫)となります。
従来、高級ブランドや大手アパレルは、ブランドイメージを毀損させないために売れ残った商品を厳重に管理し、極端な値引きを嫌って焼却処分や廃棄を選択してきました。しかし、ESG投資の浸透や環境意識の高まりを受け、衣類を燃やす企業姿勢への風当たりは厳しさを増しています。
そこで台頭したのがオフプライスストアです。事業者がブランド側から売れ残った在庫を「返品不可・一括現金買い取り」の条件で大量に引き受けます。ブランド側は赤字を最小限に抑えつつ在庫を現金化でき、オフプライス事業者は破格の仕入れ原価を実現できるため、店頭で最大80%〜90%オフという驚愕のプライシングが可能になるのです。