インターネット上やSNSでは、脇の臭いに関して科学的根拠に乏しい情報が氾濫しています。誤った知識に基づいた対策を続けると、かえって皮膚トラブルを招き、臭いを悪化させる原因になります。
誤解①:「鉛筆の芯の臭いがしたら軽度のワキガである」
ネット上で非常によく見られる言説ですが、皮膚科学的には完全な誤解です。鉛筆の芯のような金属的・油脂的な臭いは、皮脂腺から分泌された皮脂(スクワレンや脂肪酸)が酸化した際に発生する臭気成分が主原因です。アポクリン汗腺から出るワキガ特有の臭いとは化学構造が異なり、皮脂分泌の多い成人男性やホルモンバランスの変化期にある女性に広く見られる一般的な皮脂臭です。
誤解②:「殺菌石鹸で1日に何度もゴシゴシ洗えば臭いは消える」
強い殺菌力を持つボディーソープやナイロンタオルで過剰に皮膚を擦り洗いすると、肌を守っている善玉菌(表皮ブドウ球菌)まで根こそぎ死滅してしまいます。善玉菌が失われて肌環境がアルカリ性に傾くと、悪臭を生み出す悪玉菌(黄色ブドウ球菌など)が異常繁殖しやすくなります。さらに、乾燥を補うために皮脂が過剰分泌され、かえって酸化臭や納豆臭が強くなるという悪循環に陥ります。
誤解③:「制汗剤を何重にも塗り重ねれば安心」
毛穴を塞ぐ制汗剤を落としきれずに塗り重ねると、角質や皮脂と混ざり合って強固な汚れの層を形成します。これが酸化することで、制汗剤の香料と混ざり合った独特の不快な臭い(マスキング失敗臭)を放つことになります。日々のクレンジングで古い成分をしっかりリセットすることが欠かせません。