石田卓也の真骨頂といえば、身体性を全身で表現するアクションと、極限状態で見せる感情の爆発だ。その代表格が主演映画『リアル鬼ごっこ』である。
理不尽な命の選別に晒され、ひたすら街を疾走する主人公・佐藤翼。彼の走る姿には、単なるスタントの域を超えた迫真の生々しさが宿っていた。汗、歪む表情、絶望の淵で見せる鋭い眼光。B級ホラーの枠組みを根底から塗り替え、興行的な大ヒットへ導いた最大の原動力は、間違いなく彼の肉体が発する圧倒的なリアリティにあった。走る、叫ぶ、抗う。その直線的なエネルギーこそ、当時の彼が持っていた最大の武器だった。