かつて創業者・小林一三が提唱したのは、「清く 正しく 美しく」を基礎に置いた家族みんなで楽しめる国民的エンターテインメントの創造だった。その基本精神は揺らぐことがない。しかし、時代が求める「正しさ」や「美しさ」の解釈は、多様性の時代を迎えて大きく変化している。
阪急阪神ホールディングスの経営陣が掲げる新構想は、まさにルネサンス(文芸復興)の名にふさわしい。クラシックな華やかさを誇るレビューの真髄を守り抜きながらも、組織の透明性と劇団員のウェルビーイング(心身の健康)を最優先する運用構造へと脱皮を図っている。過去の成功体験に依存せず、現場の声を吸い上げるシステムを構築したことが、作品の芸術的深みにも直結しているのだ。