このサービスの本質は、単に本をまとめて売ることではない。申し込む際に記入する「選書カルテ」と呼ばれるアンケート用紙にこそ、その真髄がある。「これまでの人生で嬉しかったこと」「今、悩んでいること」「どんな人間になりたいか」。まるでカウンセリングのような問いに、応募者は必死で自分と向き合い、言葉を紡ぐ。
店主は、その文字の行間から滲み出る応募者の「生」の気配を読み取る。どんな本がこの人の乾いた心に染み入るのか。何時間も、時には何日もかけて考え抜かれた選書リストには、機械的なデータ処理では決して到達できない、人間対人間の温かなコミットメントが存在している。