ベルメルシュ神父が息を引き取った1936年前後、彼の個人的な書簡やノートの多くがバチカンの秘密文書庫へと回収された。なぜ一人の神学者の私的資料がこれほど厳重に管理される必要があったのか。そこには、公にはできない「教会の闇」や、科学では説明不可能な事象への対処法が記されていたからではないか——。専門家たちの間では長年、多様な推測が飛び交ってきた。
近年の文書公開運動に伴い、一部の資料が研究者向けに解禁され始めたことで、隠されたミステリーのピースが少しずつ繋がり始めている。彼が晩年に遭遇したとされる「ある事件」の記録は、現代の私たちが持つカトリック教会のイメージを覆すほど強烈なインパクトを持っている。