彼女の才能を極限まで引き出した立役者といえば、写真家であり映画監督の蜷川実花を外すことはできない。ふたりが再びタッグを組んだ『人間失格 太宰治と3人の女たち』では、太宰の愛人であり作家志望の太田静子役を好演。色鮮やかで妖艶な美しさが漂う世界観の中、至高の官能ドラマが見事に紡ぎ出された。
愛に生き、愛に破れながらも自らの文学を紡ぐ静子の情熱を、官能的な濡れ場や流し目ひとつで表現してみせた演技力は圧巻の一言だった。蜷川監督が構築する濃密な色調と、沢尻エリカが持つ独特の濡れ感や匂い立つような色気が融合することで、単なる官能シーンを超えた芸術的領域へと昇華されている。