1990年代、彼女は自らの意思で大きな方向転換を決断する。オーディションを経て掴み取ったのが、帝国劇場で上演された大作ミュージカル『ミス・サイゴン』のヒロイン、キム役だった。1万5千人を超える応募者の中から選ばれた彼女は、命を削るかのような熱演で観客を圧倒。それまでのアイドル像を完全に脱ぎ捨て、舞台女優としての地位を揺るぎないものとした。
続いて出演した『レ・ミゼラブル』のエポニーヌ役でも、儚くも強い情熱を抱くヒロインを見事に演じ切った。帝国劇場の広大な空間を満たす彼女の透き通った歌声は、今なお日本の舞台史における伝説として語り継がれている。妥協を許さない徹底した役作りと舞台への誠実な姿勢は、共演者やスタッフからも絶大な尊敬を集めていた。