異変が最初に囁かれ始めたのは、彼がロシアのCSKAモスクワからイタリアの名門ACミランへ移籍した前後の時期だった。テレビ画面越しに映し出される本田圭佑の顔立ち、とりわけ「右目がわずかに突出し、視線が定まらないように見える」という変化は、視聴者に強い違和感を与えた。同時に、首の正面に刻まれた横一線の小さな切開痕。これが「甲状腺の摘出手術を受けた跡ではないか」という噂を一気に加速させた。
当時、本人はこの病状について多くを語らなかった。アスリートにとって体の不調はライバルや相手チームに弱点を与えることを意味する。だが、目撃された目の症状や首の傷痕は、彼が単なる体調不良ではなく、深刻な病と闘っていた動かぬ証拠でもあった。沈黙を守りつつもピッチに立ち続けた姿勢は、ファンの間で様々な推測を生むと同時に、彼のプロ意識の高さを物語っていた。