ベルギー国内で「ワッフル」を口にする際、まず問われるのがその出自である。代表格とされるのが、首都の名を冠したブリュッセル風と、東部の古都に由来するリエージュ風の2つだ。この二者は見た目も食感も、さらには食べるシーンすら全く異なっている。
ブリュッセル風は、端正な長方形と深い格子模様が特徴だ。卵白をしっかりと泡立てた軽い生地で作られ、外側はサクッと香ばしく、中は驚くほど軽やか。粉砂糖や生クリーム、フレッシュなイチゴを添えてナイフとフォークでいただくのが、正統派のスタイルとされる。一方のリエージュ風は、不揃いな丸型でズッシリとした重量感を持つ。生地にパールシュガー(ポップシュガー)が練り込まれており、焼き上げる過程で砂糖が溶け出して表面がカラメル状にコーティングされる。手持ちで食べられる手軽さと、噛むたびに溢れる甘みが魅力だ。どちらもベルギー伝統料理の歴史に燦然と輝く名品であり、現地の人々は自らの好みを熱く語って譲らない。