フィリーチーズステーキの歴史は、1930年代のサウス・フィラデルフィアで幕を開けた。創始者であるパット・オリエリ(Pat Olivieri)は、もともと小さなホットドッグ屋台を営む商人だった。ある日、彼はいつものソーセージに飽き、近所の精肉店から手に入れた牛肉の薄切りと玉ねぎを鉄板で焼き、ロールパンに挟んで昼食にしようとしたという。
その香ばしい匂いに誘われたタクシー運転手が「それを俺にも売ってくれ」と頼んだことが、全ての始まりだった。瞬く間に評判は広がり、パットは本格的な店舗として「パッツ・キング・オブ・ステーキ(Pat's King of Steaks)」を創業。その後、1960年代には向かいの角にライバルとなる「ジーノズ・ステーキ(Geno's Steaks)」が開店した。交差点を挟んでネオンサインを競い合う2大名店の火花散るライバル関係は、フィラデルフィアの日常风景であり、街の誇りそのものとなっている。