危機感を強める行政側も、従来の枠組みを超えた対応を余儀なくされている。環境省は特定鳥獣保護管理計画の再検討を進め、指定管理鳥獣としての捕獲体制の見直しや広域連携の強化に着手した。データに基づく生息数の把握と科学的な管理が、かつてない規模で推進されている。
現場の最前線に立つ岩手県庁では、市町村と連携したリアルタイムの出没マップ運用や、警察・猟友会との迅速な情報共有体制を確立。包括的な熊害対策を強化するため、危険区域の早期警報システムやドローンを活用した夜間監視など、行政の危機管理は新たなステージへと舵を切った。