湖畔に立つと、誰もが目を奪われるのが対岸にそびえる天望山(別名:くちびる山)の姿だ。湖面に山並みが映り込むと、まるで人間の唇のような美しい幾何学模様を描き出すことからその名がついた。静寂のなかで水面に漂うその残像は、国内外の絵画ファンや写真家たちを魅了し続けている。
さらに近年、この地域で熱を帯びているのが「ナイトスカイ(自然の暗闇)」の保全運動だ。過剰な人工照明を排し、完全な暗闇の中で満天の星空を鑑賞する取り組みが進んでいる。光害のない澄み切った空は、都市生活で疲弊した現代人の感覚を呼び覚ます貴重な資源となっている。