冬のニセコや富良野を訪れると、そこには異国情緒を超えた独自の経済圏が存在する。1泊数十万円クラスの超高級ホテルが立ち並び、飲食店では外貨建てを意識した強気の価格設定がごく普通に受け入れられている。世界中の富裕層を魅了する極上のパウダースノーと国際基準のホスピタリティは、観光資源としての圧倒的な価値を見せつけた。
しかし、この「ニセコ型モデル」の波及は、地元生活者の暮らしに新たな不均衡を持ち込んでいる。物価高騰に対して地元賃金の上昇スピードが追いつかず、日常的な外食やレジャーから疎外される住民も少なくない。オーバーツーリズム対策と並行し、観光消費が生み出す富をどのように地域インフラや市民生活へ還元していくのか、持続可能な観光経営の解が問われている。