看板やメニューでよく見かける「成吉思汗」という漢字表記。これは中国語における「チンギス・ハン(Chinggis Khaan)」の音訳(当て字)であり、日本ではこれをそのまま「ジンギスカン」と読ませています。
では、なぜ一国の英雄の名がそのまま焼き肉料理の名前になったのでしょうか。その語源の根底にあるのは、大正時代における「大陸の力強さやスタミナ食としてのイメージ戦略」でした。
当時、日本において羊肉を食べる文化はまだ一般的ではなく、独特の獣臭を敬遠する人も少なくありませんでした。そこで、日本人向けに羊肉を美味しく食べる調理法を考案した際、かつてユーラシア大陸を制覇した勇猛果敢な英雄「チンギス・ハン」の名を冠することで、豪快で精がつくイメージを打ち出したとされています。