呼び名が背広であれスーツであれ、大人の男性が着用する際に最も重視すべきは「サイジング(寸法)」と「伝統的なマナーの遵守」です。どれほど高価な生地であっても、基本原則を欠いていれば品格を損ないます。
1. サイズ感の3大チェックポイント
- 肩幅:ジャケットの肩先と自分の肩の骨端がぴったり一致していること。つまめる余裕が1cm程度あるのが理想。
- 着丈:ヒップがギリギリ隠れるか、裾のラインがヒップの最も高い位置と下端の中間に収まる長さ。極端な短丈はビジネスの品位を欠く。
- 袖丈:手首のくるぶしが隠れる位置に合わせ、中に着たワイシャツのカフスが1.0〜1.5cmほど覗くのが正統。
2. 知っておくべきボタンマナー(アンボタンマナー)
スーツの上着には「一番下のボタンは留めない」という世界共通の鉄則が存在します。
- 2つボタン:上のボタンのみ留め、下のボタンは常に外す。
- 3つボタン(段返り):中ひとつのボタンのみ留める。
- 着席時の作法:椅子に座る際はボタンをすべて外し、立ち上がる際に自然な動作で上のボタンを留め直すのが紳士服の正しい所作です。
3. ポケットとVゾーンのルール
上着の腰ポケットにあるフラップ(雨蓋)は、屋外では外に出し、屋内では内側にしまうのが本来のマナーです。また、ポケットにスマートフォンや財布を詰め込んでシルエットを崩すのは厳禁。胸ポケットにはペンを差さず、必要に応じてポケットチーフを挿すのが洗練された着こなしの基本です。