北島三郎を語る上で欠かせないのが、ファミリーと呼ばれる弟子たちとの絆だ。かつて一時代を築いた北島音楽事務所は、時代の趨勢と所属歌手たちの自立を促す形でタレントマネジメント業務の再編を行った。しかし、事務所の形態が変わろうとも、師弟の絆が途切れることはない。
愛弟子筆頭である山本譲二をはじめとする門下生たちは、今も事あるごとに師匠の元を訪れ、歌の指導や人生の相談を仰いでいる。山本譲二が病を乗り越えてマイクに向かう姿を、北島は誰よりも温かく、そして厳しい眼差しで見守ってきた。自らの背中で生き様を示し、歌魂を次世代へと手渡す。事務所という組織の枠組みを超えた「北島流の血脈」は、弟子たちの歌声を通じて今も全国のホールへと響き渡っている。