パチンコ業界において「旧イベント日」という奇妙な呼称が定着した最大の理由は、警察庁による度重なる広告宣伝規制の強化にあります。
2000年代中盤から2010年頃にかけて、パチンコホールは「毎月7のつく日は激熱」「ゾロ目の日は全台最高設定」といった煽り文句を記した折り込みチラシや店内POPを自由に展開していました。しかし、過度な射幸心を煽る宣伝が社会問題化し、警察庁は2011年から2012年にかけて「イベント規制」を本格的に発動。特定の日を指定して出玉や設定を示唆する広告宣伝が全国一律で厳格に禁止されました。
この規制により、ホールは「本日イベント開催」と直接告知することが不可能になりました。しかし、長年培われた「〇日はこの店の看板イベント」という記憶はファンの頭に残り続けます。ホール側もその日付の還元傾向を意図的に維持し、ファン側も「昔イベントをやっていた日=旧イベント日」と呼んで集まり続けた結果、告知なしで熱気を作り出す独自の文化が形成されました。
業界関係者の証言によると、「広告宣伝規制によって文字通りのイベントは消滅したが、ユーザーとの暗黙の了解によって特定日の概念がより強固になった」と振り返られています。直接的な告知が封じられたことで、暗号めいた示唆や過去の実績を読み解く情報戦へとゲームの性質が変化していきました。