世界中のバレーボールファンを驚かせた電撃移籍の発表。欧州の最高峰クラブからのオファーが届いた時、本人の心中に迷いはなかったのだろうか。密着取材のカメラに対し、佐藤選手は静かな笑みを浮かべながら当時の葛藤を明かした。「世界トップクラスのブロックと対峙し、自分のスパイクがどこまで通用するのか試したい。その欲求を抑えきれなかった」。国内で安定したポジションを確立していた中での決断は、まさに自らの限界を突き破るための挑戦である。
覚醒の背景には、身体操作の抜本的な見直しとメンタル面の変革があった。かつてはパワー頼みになりがちだったアタックラインからの攻撃も、空中での滞空時間を活かしたブロックアウト狙いや指先を狙うコース打ちなど、多様な引き出しを獲得。世界最高峰のハイレベルな環境へ身を置くことで、個人のポテンシャルは一気に花開いた。