ネット上や地域コミュニティで最も頻繁に議論されるのが「一般の日本人や基地従業員は受診できるのか」という疑問です。結論から言えば、沖縄の米軍基地内にある医療・歯科施設には極めて厳格な利用資格(Eligibility)が定められています。
原則として受診が認められているのは、日米地位協定(SOFA)に基づく身分証明書を所持する現役軍人(Active Duty)、軍属(DoD Civilians)、およびその扶養家族(Dependents)です。米軍の医療リソースは防衛予算によって直接賄われているため、SOFAステータスを持たない一般の日本国籍住民が私的な理由で外来診療を受けることは制度上認められていません。
また、有資格者の中であっても明確な優先順位(Priority Categories)が存在します。
- 第1優先(Priority 1):現役米軍人(Active Duty Service Members)
- 第2優先(Priority 2):現役軍人の扶養家族(TRICARE加入者)
- 第3優先(Priority 3):軍属・退役軍人・その他指定対象者
作戦展開や軍務即応性を最優先とする観点から、基地内歯科のキャパシティが逼迫した際、家族枠や軍属の予約は数カ月待ちになるか、基地外(オフベース)の民間歯科医院への受診(Referral)を案内される運用が常態化しています。
なお、基地内で働く日本人スタッフ(MLC/IHA従業員)については、業務中の突発的な外傷に対する応急処置を除き、日常的な虫歯治療や予防歯科で基地内クリニックを利用することはできません。日本人従業員は日本の社会保険・健康保険が適用されるため、基地外の民間医療機関を利用するのが正規のルールです。