チームを牽引した主将の佐藤選手(3年)は、優勝決定の瞬間を振り返り、「プレッシャーがなかったと言えば嘘になります。でも、僕たちが目指してきたのは『歴史の再現』ではなく『新しい横手高校の野球』を作ることでした」と力強く語る。
マウンドで静かな闘志を燃やし続けたエースの鈴木投手(3年)もまた、地方大会を通じて目覚ましい成長を遂げた一人だ。最速140キロ前半のストレートと、キレのあるスライダーを武器に、打者の手元で動く変化球を正確にコントロールするスタイル。「冬の間に室内で徹底してフォームの再現性を高めたことが、夏になって実を結びました」と笑みを見せる。
二人が強調するのは、チーム内の対等なコミュニケーションだ。学年を問わず意見をぶつけ合い、プレイの意図を確認し合う風通しの良さ。重圧を楽しむ余裕すら感じさせる若きナインの表情には、伝統校の看板を誇りに変えた強靭な精神力が宿っていた。