今回の惨事は、一地域の事故にとどまらず国政をも揺るがしている。国土交通省は全国の地方自治体に対し、高度経済成長期に埋設された主要地下構造物の総点検を指示。これを受けて「全国道路インフラ緊急点検プロジェクト」が本格始動する運びとなった。
だが、この緊急点検の前に立ちふさがるのが、土木・道路建設産業が抱える構造的な人手不足とコストの壁だ。全国に張り巡らされた下水道管や地下空洞の探査には、地中レーダー探査車や精密な解析技術が不可欠となる。しかし、現場の技術者不足や予算の制約により、点検の更新サイクルが長期化していた現実がある。
建設業界の有識者は「地上からは見えない地下の劣化をどう早期発見するか。従来の視察や打音検査だけに頼る手法から、AIやドローンを活用した予防保全へ移行しなければ、第二第三の悲劇を防ぐことはできない」と痛烈な警鐘を鳴らしている。