現在、従来のカード型から基板埋め込み型のチップである「A-CAS」への移行が進んでいる。4K・8K放送の普及に伴い、物理カードの抜き差しを不要にするという名目で導入された技術だ。
だが、これで問題が解決したわけではない。むしろ実体がカードからチップへ隠蔽されたことで、ブラックボックス化がさらに進んだとの批判が根強い。WOWOWなどの有料放送の制御だけでなく、NHKのスクランブル化を拒む手段として機能し続けているからだ。
Netflixをはじめとするグローバルな動画配信サービスが台頭し、若者のテレビ離れが加速する中、テレビを所有しているだけで課金対象となるNHK受信料制度への不満は高まるばかりだ。A-CASチップによる技術的縛りは、ネット時代の受信料徴収網を維持するための「新たな砦」として再利用されている。