この歪んだ構造に対し、早くから異声をあげる識者や政治家も存在した。実業家の堀江貴文氏は、過度な暗号化と独占管理が日本のIT家電の国際競争力を削いだとして、放送業界の閉鎖性を激しく批判してきた。
また、政治の場においては菅義偉元首相が総務相時代から電波利用料の見直しやNHK改革、放送と通信の融合を唱え、既得権益の打破を模索した。放送利権に切り込もうとする政治的動きは度々起きたものの、メディア側の強烈なロビー活動と巻き返しにより、抜本的な解体には至らなかった。
テレビ局側にとって、自らの利害に直結する規制緩和や利権解体は死守すべき一線だった。報道機関としての影響力をバックに、政治や行政改革の波を巧みにかわし続けてきた歴史がそこにはある。