本作のドラマ性を高めた重要なファクターが、主演の松平健自身が歌唱を担当した楽曲の存在です。主題歌や挿入歌として劇中を彩った楽曲群は、過酷な捜査に傷ついた刑事の孤独や男の哀愁を叙情的に歌い上げ、激しいアクションシーンとの見事なコントラストを生み出しました。
また、画面全体から漂う「昭和50年代の空気感」は、ロケーション撮影への徹底したこだわりに起因しています。
浅草の雷門周辺や仲見世通り、隅田川沿いの木材置き場、勝鬨橋や晴海埠頭の埋立地など、再開発前の東京東部エリアの原風景が鮮烈に記録されています。当時まだ高層ビルがまばらだった東京の空の下、パトカーのサイレンを響かせながら疾走する映像は、ドキュメンタリー映像にも匹敵する歴史的な価値を宿しています。