歴史的に見れば、このパスタはイタリアのナポリを中心に「冷蔵庫に何もなくても作れる」庶民の味として親しまれてきた。給料日前の苦しい状況でも作れることから、現地では「絶望のパスタ」という愛称で呼ばれることすらあったほどだ。
だが、その地味な出自は過去のものとなった。最先端のレストランでは、低温調理技術や精密な温度管理を駆使し、ニンニクのアリシン(旨味・香り成分)を焦がさずに極限まで引き出すアプローチが主流となっている。庶民の日常食から、技術の粋を集めた最高峰のガストロノミーへと、劇的な変貌を遂げた。