ポップカルチャーへの浸透過程において、音楽と映像コンテンツが果たした役割は極めて大きい。日本のヒップホップシーンを牽引するAwichをはじめとするラッパーたちのリアルなリリックには、街のリアルやストリートの危うい熱量がそのまま落とし込まれている。こうした楽曲が持つアンチヒーロー的なカッコよさが、若者たちの言葉使いに影響を与えたことは否定できない。
さらに、Netflixなどのグローバルな動画配信サービスを通じて、海外のクライム・ドラマが大衆化されたことも背景にある。代表作である『ブレイキング・バッド』のように、違法薬物の密造や裏社会をスリリングに描いた作品は世界的なヒットを記録した。作中で描かれる過激な世界観や危ういスラング文化が、Z世代の視聴者にとって「スタイリッシュで少し危険なカルチャー」として消費され、言葉の心理的ハードルを下げた側面が存在する。