ここでは、主要な職種ごとの年収相場と、現場で働く人々の生の声を交えながら、具体的な実態を解説する。
1. アパレル販売員(ショップスタッフ)
年収は正社員で300万~350万円、アルバイト・パートでは時給1100~1400円程度が相場だ。ある大手セレクトショップの元店長は「売上目標を達成しても、基本給の昇給は年数千円単位。インセンティブ制度があっても、店舗全体の利益に連動するため、個人の頑張りが報われにくい」と証言する。接客スキルや商品知識を磨いても、年収アップには限界があるのが現実だ。
2. アパレルデザイナー
経験3~5年で年収400万~550万円。ただし、これは正社員として企業に所属する場合の話だ。フリーランスのデザイナーは案件単位の報酬となり、年間売上は200万~1000万円と極端に分かれる。ある独立系デザイナーは「ヒット商品を出しても、 royalties(ロイヤリティ)が保証されない契約が多く、次の季節の企画に追われる日々。年収は安定しない」と語る。
3. アパレル企画(MD・マーチャンダイザー)
年収は450万~700万円。商品の企画から生産、販売戦略までを統括する花形職種だが、プレッシャーも大きい。元大手アパレルMDの男性は「売れ残り在庫の責任を問われ、役職が上がるほど年収は上がるが、心身を削る思いだった」と振り返る。
4. アパレルプレス
年収は350万~500万円。広報としてメディア対応やサンプル管理を行うが、華やかなイメージとは裏腹に、給与は販売職と大差ないケースも多い。あるプレス経験者は「撮影現場での裏方作業が中心で、残業代も出ないことがざら。年収を上げるには、ブランド力のある企業へ移るしかない」と話す。
5. アパレルバイヤー
年収は500万~800万円、トップクラスでは1000万円を超える。海外買い付けや仕入れ交渉など、専門性と語学力が求められるが、その分報酬は高い。ある百貨店のバイヤーは「仕入れの成功が直接利益に直結するため、やりがいは大きい。ただし、失敗すれば数千万円の損失を出すこともあり、常に緊張感がある」と明かす。