1970年代に日本上陸を果たした当時、チョコレートを包んでいたのは赤と白を基調としたシックな紙箱や紙包装、そして内側の繊細な銀紙(アルミ箔)だった。中央からツメを立てて銀紙を指で割り、1本ずつ切り離して口に運ぶ。この一連の動作こそが、昭和レトロの空気を今に伝える象徴的な儀式だったと言える。
世界的な乳業・食品メーカーの祖であるヘンリー・ネスレの志を受け継ぐネスレ日本株式会社は、英国ラウントゥリー社の伝統を受け継ぎつつ、日本の気候や品質基準に合わせた製造技術を確立した。あのアルミ包装は単なる意匠ではない。湿気を嫌うウエハースのサクサク感を維持し、チョコの芳醇な香りを閉じ込めるための技術的回答だったのだ。