『亜人』のアニメーション制作を担当したポリゴン・ピクチュアズは、本作において「プレスコ(プレスコアリング)」という手法を採用した。映像ができる前に声を録音し、その声の演技や呼吸間合いに合わせて3DCGアニメーションを構築していく画期的なアプローチである。
このプレスコ収録こそが、キャスト陣の名演を引き出した最大の鍵だった。通常のアフレコのように画面の枠や口の動きに縛られることなく、役者たちは舞台劇さながらに自由な間(ま)を取り、生の吐息や言葉のつっかえまでをも芝居として表現することが可能となった。
スタジオでは、役者同士がリアルな距離感で掛け合い、現場の緊張感がダイレクトにマイクに集音された。その声のデータを元に、アニメーターがキャラクターの微細な表情や手足の動きを付けていく。この映像と声の有機的な融合が、実写映画と見紛うほどの生々しいリアリティを生み出した秘密である。