ひとつのアニメ作品が完成するまでには、無数の選択と判断が重ねられる。上村がキャリアの根幹を培ったのは、映像のテンポや構図を緻密に組み上げる演出家のポジションだった。カットごとの間合い、キャラクターの視線の行き先、背景と人物の距離感。細部への徹底したこだわりが、彼の演出家としての評価を確固たるものにした。
アニメーション制作会社「ディオメディア」をはじめとする気鋭の制作現場で数多くの作品に携わり、現場のクオリティを底上げしてきた功績は大きい。絵コンテを読み解き、作画や音響と対話しながら物語の流れを構築する力は、やがて作品全体を統括するアニメ監督としての才能へと大きく花開くこととなった。