効率化とは真逆の道を行く。
池原酒造の酒造りは、今や絶滅危惧種とも言える「直火蒸留(じかびじょうりゅう)」を頑なに守り続けている。現代の多くの酒蔵が蒸気熱源によるオートメーション化を進める中、釜の下で直接火を焚き、温度の変化を職人の目と肌で感じ取りながら蒸留を行う。
直火による熱の伝わり方は一様ではない。焦げにも似た芳ばしさや、醪(もろみ)の複雑な旨味が濃縮され、原酒へと移る。機械制御では再現不可能な微小なゆらぎ。これこそが、白百合に「生命力」とも呼ぶべき奥行きを与えている。大量生産はできない。だからこそ、一杯に宿るエネルギーが圧倒的だ。