一般の人々はもちろん、大学関係者の間ですら混同されやすいのが、名称の似通った他の教授職との境界線です。特に「名誉教授」「特命教授」「特任教授」との違いを明確に把握している人は多くありません。最大の違いは、「法的な位置付け」「雇用の有無(有給か無給か)」「主なミッション」に集約されます。
まず決定的なのが、名誉教授との相違点です。名誉教授は退職した功績者へ与えられる「功労賞的な称号」であり、雇用契約はありません。したがって給与は発生せず、研究室の維持や科研費の直接申請にも厳しい制約が課されるケースが一般的です。一方、特別教授は第一線で研究を続けるための「現職ポスト」であり、毎月確実に高額な給与が支払われます。
次に、特任教授や特命教授との違いです。特任教授は特定の外部資金(寄附講座や競争的資金)に紐づいた任期付きの雇用であり、プロジェクト終了に伴い契約が終了するリスクを抱えます。特命教授は、産学連携の開拓や大学改革、国際化の推進といった「大学運営上の特命事項」を遂行するために配置される傾向が顕著です。これに対し、特別教授は純粋に「学術研究の卓越性」そのものに対して付与される地位であり、学内組織のヒエラルキーにおいても最高位の別格待遇となります。