戦後、実業家として大成した舩坂は、自らの体験を手記としてまとめた。その著書『英霊の絶叫』は、戦場の残酷さと人間の尊厳を過飾なく描写したノンフィクションの傑作として、いまなお世代を超えて読み継がれている。
彼の手記には、戦争を美化する意図は一切存在しない。目の前で途絶えていった戦友たちの命、極限状態での餓えと渇き、そして生き残ってしまったことへの葛藤が、静かだが重厚な筆致で綴られている。自らの命をかけて戦った者だけが持つ言葉の重みが、ページごとに満ちあふれているのだ。
平和な時代に生きる現代人にとって、彼の遺した手記は単なる歴史の記録ではない。極限状態において人間がいかにして正気と尊厳を保ち得るかという、普遍的な人間性の問いかけとして心に突き刺さる。