圧倒的な兵員数と膨大な物量を誇る米陸軍第81歩兵師団(通称:ワイルドキャット師団)にとって、アンガウル島の攻略は短期間で終わるはずの作戦だった。しかし、洞窟陣地を活用した日本軍の徹底抗戦と、船坂をはじめとする個々の兵士が見せた執念の前に、米軍は予想外の激しい出血を強いられることとなる。
米陸軍第81歩兵師団の公式記録や当時の兵士たちの手記には、傷だらけになっても立ち上がり、銃火をくぐり抜けて迫ってくる日本人兵士の姿が刻まれている。船坂は捕虜となった後も、衰えぬ気力で脱走や破壊工作を試みた。その強靭な精神力と桁外れの生存本能は、敵国であった米兵たちの間でも深い敬意と驚嘆の対象となったのである。