花火と踊りを堪能する旅の拠点は、もちろん山鹿温泉だ。平安時代からの歴史を誇る名湯で、その泉質は「乙女の柔肌」と称されるほど無色透明でまろやか。肌に吸い付くようなトロトロの湯は、夏の旅の疲れを芯から癒やしてくれる。
街中には、江戸時代の参勤交代期に使われた御前湯の様式を復元した共同浴場「さくら湯」が堂々とそびえ立つ。重厚な木造建築の中で湯に浸かれば、日常の喧騒は一瞬で消え去る。
温泉街の路地裏には、山鹿灯籠振興会の職人たちが手がけた作品を展示・販売する工房やギャラリーも点在している。灯籠師の指先から生まれる繊細な和紙アートに触れ、地元の郷土料理に舌鼓を打つ。花火大会をきっかけに訪れた旅人は、いつの間にかこの街が持つ奥深い文化の虜になってしまう。