安室奈美恵が遺した音楽的遺産は、J-POPの歴史そのものと言っても過言ではない。1990年代に小室哲哉とのタッグで生み出した数々のヒット曲は、日本のダンス・ポップの基盤を築き上げた。その後、自らの意志でアーティスト像をアップデートし続け、リオデジャネイロオリンピックの放送テーマソングとして国民的ソングとなった「Hero」に至るまで、常に時代の最前線を走り続けた。
引退直前にリリースされたベストアルバム『Finally』は、彼女の25年間に及ぶキャリアの集大成であり、新録音音源を含めた決定盤だ。このアルバム一つをとっても、音楽的価値およびビジネス的価値は極めて高く、サブスクリプション市場においても絶大な再生数を叩き出すポテンシャルを秘めている。だからこそ、権利者側も慎重かつ適正な条件での再配信を目指しているのだ。