しかし、90年代の金字塔だけが彼女の最高峰ではない。多くの音楽評論家が指摘するのは、小室プロデュースを離れた後のV字回復劇だ。2000年代初頭の模索期を経て、R&Bや本格派ヒップホップへと舵を切った彼女は、自身のクリエイティブを完全にコントロールし始めた。
2008年にリリースされたベストアルバム『BEST FICTION』は、17年ぶりにミリオンセラーを達成。10代、20代、30代のそれぞれでミリオンを突破するという、音楽業界の常識を覆す快挙を成し遂げた。自らの意志で音楽性を刷新し、ストイックなライブパフォーマンスに磨きをかけたこの時期こそ、実力派アーティストとしての全盛期であったと評価する声も極めて強い。