経済面における手軽さは保険診療の最大の魅力ですが、実際の窓口負担額や制度上の制約を正しく理解している人は多くありません。治療にかかる費用と作製ルールを把握しておくことが大切です。
窓口で支払う部分入れ歯保険3割負担の値段は、欠損した歯の本数や部位、型取りの工程数によって変動します。一般的な目安となる保険適用の部分入れ歯費用相場は以下の通りです。
- 1歯〜3歯欠損(前歯・奥歯共通):約5,000円〜8,000円(型取り・装着・調整の総額目安)
- 4歯〜8歯欠損:約8,000円〜12,000円
- 9歯以上の広範囲欠損:約12,000円〜15,000円前後
奥歯の咀嚼機能を回復させる奥歯の部分入れ歯保険適用であっても、費用体系は基本的に同様です。ただし、入れ歯本体の費用のほかに、事前の歯周病治療や支えとなる歯の削合・クラウン処置が必要な場合は別途検査・処置費用が発生します。
ここで最も注意しなければならないのが、厚生労働省の保険診療ルールに定められた「6ヶ月以内の再作製制限(6ヶ月ルール)」です。原則として、一度保険で部分入れ歯を作製した場合、同一部位の入れ歯は作製後6ヶ月間、保険適用で新しく作り直すことができません。「痛くて使えない」「見た目が気に入らない」と感じても、半年間は調整を繰り返しながら使い続けるか、全額自己負担で作り直す必要があります。保険の部分入れ歯の寿命と作り替え期間は通常3年〜5年程度とされていますが、初期段階の設計不適合には細心の注意が必要です。