ネット上の掲示板やSNSでは、初期のあいみょんに対して「単なる過激な言葉選びによる炎上商法だったのではないか」「奇をてらっただけのサブカル系歌手」といったステレオタイプな言説が散見されます。しかし、当時の楽曲制作の現場証言やコード進行の緻密な分析を行えば、その評価がいかに的外れであるかが分かります。
彼女のルーツには、吉田拓郎、浜田省吾、尾崎豊、スピッツ、小沢健二といった日本のフォーク・ニューミュージック・90年代J-POPの確固たる構造美が存在します。衝撃的な歌詞ばかりに耳を奪われがちですが、メロディの骨格は極めてトラディショナルで親しみやすいポップスの黄金比に従って作られています。奇をてらったギミックではなく、圧倒的なメロディセンスと歌唱力という盤石の土台があったからこそ、過激な歌詞が単なるノイズに終わらず、聴き手の胸に深く刺さったのです。