がんの告知を受けた際、人は強い無力感に苛まれます。その際、「食事なら自分の意志でコントロールできる」という心理的防衛機制が働き、極端な代替療法に傾倒しやすくなります。また、患者を支える家族も「何かしてあげたい」という献身の情熱から、厳格な食事制限を強いてしまう共依存的な関係に陥りがちです。
感情的な情報に流されず、命を守るための客観的な判断基準を以下に示します。
【糖質コントロールが有効な人(推奨できるケース)】
- がん予防期・寛解維持期の人:過体重や肥満があり、インスリン抵抗性を改善するために菓子類や甘い飲料を控え、適度な炭水化物管理を行う場合。
- 臨床試験に参加可能な人:大学病院等でケトン食療法の治験プロトコルに合致し、医師と管理栄養士の完全な管理下で実施する場合。
【糖質制限を絶対に避けるべき人(極めて慎重になるべきケース)】
- 抗がん剤・放射線治療を受けている人:副作用による食欲不振や口内炎、吐き気がある中で糖質を制限すると、総エネルギー不足に陥り治療継続が不可能になります。
- 体重減少・骨格筋低下が進んでいる人:悪液質のリスクが跳ね上がり、感染症や寝たきり状態を引き起こす危険性があります。
- 進行期・終末期の患者:食事の制限が精神的ストレスを増大させ、患者と家族の貴重な団らんの時間を損ないます。