制服がない。始業や終業を告げるチャイムすら鳴らない。愛知県立旭丘高等学校の代名詞とも言えるこの環境は、一見すると放任主義に映るかもしれない。だが、その実態は「自己責任」という厳しいリアリティの上に成り立っている。
「自由とは、何をやってもいいということではなく、自分の行動の責任をすべて自分で背負うこと」――そう語る在校生の言葉通り、自分をコントロールできない者は容易に落ちこぼれていく。チャイムが鳴らないからこそ、自ら時計を見て行動する。誰にも指示されないからこそ、自発的に本を開く。この自己規律こそが、大人になってからも揺るがない知性の骨組みをつくる。