世界の主要企業において、「愛社精神」の概念を再定義した最大の要因は、世界的な世論調査・コンサルティング企業であるギャラップ(Gallup)社による従業員意識調査の普及だろう。ギャラップ社が提示する「Employee Engagement」の指標は、単に「職場が好きか」ではなく、「従業員が組織の目的を理解し、主体的に成果に貢献しているか」を測定するものだ。
先進的な企業文化においては、トップダウンで忠誠を求める旧来のマネジメント手法はすでに形骸化している。会社に拘束されている感覚ではなく、自立したプロフェッショナルが自発的に力を発揮する環境こそが求められる。この地殻変動に伴い、ビジネス英語における語彙のトレンドも大きくシフトした。
いまや成果を出すチームほど、「忠誠心(Loyalty)」ではなく「熱意(Passion)」や「共鳴(Alignment)」という言葉で組織への愛着を語る。従業員エンゲージメントの向上を図ることが、企業経営における最優先課題の一つとなっているのだ。