毒性物質やリコール問題と並び、日常の家庭内で最も頻繁に発生しているのが、ささみジャーキーが喉に詰まることによる窒息事故です。ささみは繊維質が強いため、乾燥加工されたジャーキーは非常に硬く、唾液を含むと吸水して膨張・粘着しやすい特性を持っています。
特にトイ・プードル、チワワ、ポメラニアンなどの小型犬は気道や食道が細く、飼い主が手でちぎらずに大きなまま与えてしまうと、先端が咽頭部に張り付き、あっという間に気道を塞いでしまいます。犬が激しくむせる、前足で口元を掻きむしる、舌が紫色に変色する(チアノーゼ)といった症状が現れた場合、数分以内の対処が生死を分けることになります。
万が一、愛犬が喉を詰まらせた場合の窒息応急処置は以下の手順で行います。
1. 口腔内の確認と除去:口を大きく開け、指で舌を押し下げて異物が見える場合は、指をフックのようにして素早くかき出します。ただし、奥へ押し込む危険がある場合は無理に指を入れないでください。
2. 背部叩打法(小型犬の場合):愛犬の後頭部を下げ、頭が下を向くように抱きかかえ、肩甲骨の間を手のひらの付け根でリズミカルに強めに数回叩きます。
3. ハイムリック法(腹部突き上げ法):犬の後ろから抱きかかえ、みぞおち(助骨のすぐ後ろの腹部)に握りこぶしを当て、前上方に向かって素早く圧迫を加えます。異物が排出されたら、直ちに動物病院へ搬送し、気道や食道の損傷を確認してください。