科学的知見のアップデートは、最前線の獣医学や急成長を続けるペットヘルスケア産業にも巨大な地殻変動をもたらしている。かつては「7歳を超えたらシニア」と一律に括られていた犬の健康管理だが、現在では個体ごとの遺伝的・生理的年齢に応じたプレジション・ケア(精密医療)へとシフトしつつある。
特にシニア犬ヘルスケアの領域では、単に長生きさせるだけでなく「健康寿命」をどう延ばすかが最大の論点だ。関節の炎症を防ぐための高機能サプリメントや、脳の認知機能低下を抑制するためのMCTオイル(中鎖脂肪酸)を配合したフードなど、遺伝子レベルの老化メカニズムにアプローチする製品が続々と市場に投入されている。