発情による夜鳴きや興奮を抑えようとインターネットを検索すると、極めて危険な民間療法や都市伝説がまことしやかに語られている現状が存在します。これらは愛猫の体を激しく傷つけるリスクを孕んでおり、絶対に実行してはなりません。
その最たる例が、「綿棒でメス猫の生殖器を刺激し、人工的に排卵させて発情を終わらせる」という情報です。ネット掲示板や一部の古い飼育ブログで見られる手法ですが、獣医学的には言語道断の危険行為と断じられています。不衛生な綿棒の挿入は膣粘膜の断裂や重度の細菌感染を引き起こし、前述した子宮蓄膿症を人為的に誘発する引き金となります。また、万が一排卵が起きたとしても「偽妊娠」という別のホルモン異常状態へ移行し、乳腺炎や攻撃行動などのさらなるトラブルを招きます。
また、猫の発情期ツボと称して、腰や尻尾の付け根を強く指圧したりトントン叩いたりする行為にも細心の注意が必要です。東洋医学において百会(ひゃくえ)など自律神経を整えるツボ自体は存在しますが、お尻の付け根(仙骨部)を強く刺激することは、猫にとって交尾刺激そのものとして受容されます。
一時的にロードシス反射をとって大人しくなったように見えても、それは落ち着いたのではなく性刺激に反応しているだけであり、かえって交尾欲求を煽り立て、鳴き声を激化させる逆効果しかもたらしません。愛猫を性的に弄ぶような物理刺激は百害あって一利なしと認識すべきです。