地球を冷やしたタンボラ山噴火の全貌|「夏のない年」の真相と現在

地球を冷やしたタンボラ山噴火の全貌|「夏のない年」の真相と現在

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タンボラ山の大噴火が人類史に深く刻まれている最大の理由は、現地での壊滅的な破壊にとどまらず、地球規模の急激な気候変動を引き起こした点にあります。噴火の翌年にあたる1816年、北米やヨーロッパ、アジア各地は記録的な異常低温に見舞われ、歴史書に「夏のない年(Year Without a Summer)」として記される事態に陥りました。

なぜ熱帯の島で起きた噴火が、数千キロ離れた北半球の気候を激変させたのか。その決定的な要因は、噴煙とともに成層圏へと打ち上げられた推定量数千万トンもの二酸化硫黄(SO₂)にあります。対流圏の火山灰は数週間で雨とともに地上へ落下しますが、成層圏(高度10〜50km)に突入したガスは水蒸気と化学反応を起こし、微小な「硫酸塩エアロゾル(硫酸の微粒子)」へと変化します。

このエアロゾルが太陽光を宇宙空間へと反射する日傘(パラソル)の役割を果たし、地表に届く日射量を大幅に減少させました。成層圏の強力な気流に乗ったエアロゾルはわずか数カ月で地球全体を包み込み、北半球の平均気温を約0.5度〜1度低下させたと分析されています。わずか1度前後の低下に思えるかもしれませんが、これが局所的には季節の巡りを完全に狂わせ、6月に北米で猛吹雪が吹き荒れ、ヨーロッパで真夏に河川が凍結する異常事態を招きました。

鈴木 陽菜
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鈴木 陽菜

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