「自分は組織に適応できない社会不適合者なのではないか」――そんな悩みを抱えてきた当事者にとって、近年の臨床研究がもたらす知見は大きな救いとなりつつある。従来、アメリカ精神医学会が定める診断基準(DSM)をはじめとする医学界の主流的アプローチは、行動の偏りや衝動性を行動障害として捉える側面が強かった。
しかし、最新の知見は異なる光を当てている。国立精神・神経医療研究センターなどの研究機関が推進する脳機能イメージング解析では、発達障害の一種とされるADHD特有の神経ネットワークが、拡散的思考や直感的な課題解決において圧倒的なパフォーマンスを発揮することが実証され始めた。環境とのミスマッチこそが生きづらさの元凶であり、適した環境下ではその特性が稀有な創造的リソースへと反転する。