TBSテレビが誇るメガヒット作品『下町ロケット』。阿部寛が演じた佃製作所の社長・佃航平は、ロケットエンジンの開発に情熱を注ぐ熱き技術者だ。この役を演じるにあたり、阿部寛の脳裏に常に浮かんでいたのは、他ならぬ実父の姿だったという。
ドラマ内で見せる、油に塗れながら部品の一点一点を検品する厳しい眼差しや、技術者のプライドを懸けて巨大な理不尽に立ち向かう情熱。それらは、かつて自宅の書斎や作業場で黙々と技術に向き合っていた父親の手元や佇まいそのものであった。
視聴者の心を揺さぶったあの迫真の演技は、単なる台本の暗記や役作りを超えた、実父へのオマージュでもあった。ものづくりにかける情熱と誇り。それは阿部家という血筋を通じて継承された、本物の魂だったと言える。