阿部慎之助監督の解任を求める声が高まる背景には、ファンの間で渦巻く複雑な愛憎がある。解任要求派が主張するのは、接戦におけるベンチの動くタイミングの遅さや、若手育成と勝利の両立に対する疑問だ。「常勝」を義務付けられたチームにおいて、勝ち星を逃す展開が続けば批判の矛先が指揮官に向かうのは免れない。
対する続投論者たちの主張も根強い。長年チームを牽引した生え抜きのスターであり、原辰徳前監督からチームを引き継いだ直後の過渡期において、短期間での成果のみで評価するのは時期尚早だという意見だ。名捕手として培った野球観と厳しさを全面に出す指導法は、将来的な強い巨人を作るために不可欠だとする見方も多い。解任と続投、二つの意見が衝突する真実の裏には、勝つことへの飽くなき執着が存在している。